気温が高くなってくると、熱中症が心配な時期がやってきますね。
中でも、特に注意が必要なのが、高齢者の熱中症対策です。
「暑いな、喉が渇いたな」と思った時には、すでに体内の水分量が減っている状態と言われていますが、高齢者の場合は暑い・喉が渇いた、ことを感じにくいため、時間や量を決めて意識的な水分補給をすることが大切です。
高齢者に最適な飲み物は、麦茶かほうじ茶で、1日の水分摂取の目安量は1500ml以上です。
この記事では、高齢者に大切な水分補給についてまとめています。
高齢者の熱中症対策で必要な水分量はどれくらい?
熱中症対策のために1日に摂取したい水分の目安量は?
目安は1500ml以上といわれています。
ファミリーサイズのペットボトル1本と考えると、お腹がタプタプになってしまいそうですが、1回の目安は200mlくらいなので、少量をこまめに飲むのがいいですね。
1500ml以上は1日のトータルの目安量なので、食事の際のお味噌汁やスープ、おやつ時のコーヒーやお茶の量も含まれるため、毎食、上手く組み込んで行けそうですよね。
●たくさん飲んでもらうには?
高齢の家族に水分をすすめても、「今、飲みたくないから」と拒否される事も多いのですが、受け入れられやすい方法があります。
①食事に汁物をつける
熱中症対策に必要な塩分も摂れる上、ミルクスープなどにする事で、カルシウムなどの栄養も摂取できます。
②選択してもらう
「お茶と紅茶どっち?」「ホットとアイスだと?」と、本人に選んでもらう事で受け入れて貰いやすいです。
冷たすぎず熱すぎず、すぐに飲める温度で出すのがオススメです。
③声かけ
様子を見て、「もう一口飲まない?」「半分残してるけどいいの?」と、声かけを行うのもポイントです。
常に付き添っていられない場合は、「これ1本が〇時までのノルマ」という感じで、量が目に見えるボトルなどで摂取してもらうと、飲んだ量の把握にも繋がります。
高齢者の熱中症対策に適した飲み物は?
水分は、水をガブガブ飲めばいいという訳ではありません。
本来は、バランスの取れたスポーツドリンクなどが最適なのですが、高齢者の場合、糖尿病などの疾患、ナトリウム・カリウムの値、飲んでいる薬との関係で難しいところもあります。
そこで、おすすめは麦茶とほうじ茶です。
利尿作用のあるカフェインが少なく、ホットでもアイスでも楽しめます。
また、塩分の摂れるお味噌汁やスープ、夏場に美味しいゼリーをおやつにするなどもオススメです。
また、アルコールは水分を排出してしまうので水分には入りません。
コーヒーもお茶の時間だけにするなど、嗜好品として楽しみましょう。
熱中症対策で高齢者に水分補給がとても重要な理由
高齢者にとって特に水分補給が重要になるのは、「体内に水分を蓄えることが出来なくなる」からです。
まず、高齢者の体内で、摂取した水分がどうなるかを紹介します。
●水分を筋肉で蓄えることができない
身体を動かす以外に、筋肉は水分を蓄える役割を持っているのですが、高齢者は筋力低下により体内に水分を蓄えることが出来なくなります。
●尿として排出されてしまう
高齢者では、腎機能も低下しています。
そのため、筋力低下で排出された水分が腎臓にいっても、腎臓も長く水分を蓄えられず尿として排出されてしまいます。
結果的にトイレの回数が増えるのですが、頻尿を気にして水分を控えてしまうようになります。
高齢者に水分補給はとても大切
高齢になると喉の渇きや暑さを感じにくくなります。
体内の水分が足りなくなるだけでなく、血液が流れにくくなったり、汗が出ず体内に熱がこもるなどの症状を起こす事もあります。
真夏でも暑さを感じず冷房を使用しなかったり、施設でも汗がダラダラなのに「寒いから」と着こんでいる方もいて、体温調節が苦手な方も多いです。
これらの理由からも分かる様に、蓄える力が低下することで、体内の脱水症状が起きます。
高齢者は、体内に水分を留めておく力が低いため、水分補給がとても重要になります。
まとめ
・高齢者の水分補給におすすめは、麦茶かほうじ茶
・1日の水分摂取目安量は、1500ml
・1日の目安量をこまめに摂る
・食事に汁物を付けて、水分と塩分を一緒に摂取
・高齢者は、暑さや喉の渇きを感じにくい上、水分を体内に蓄えておく力も弱いため、水分補給はとても重要!
高齢者本人は、喉の渇きを感じていないため、水分を摂りたがらないこともあります。
家族や周りの人が、声をかけたり気にかけてあげて、暑い夏を元気に過ごしてもらえるようにしたいですね。
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